NHK放送技術研究所に行ってきました。
今回は5月30日から6月2日まで一般公開された、NHK放送技術研究所の一般公開。通称「NHK技研公開2019」に行ってきました。
公開内容として2030~2040年ごろのメディア技術、VR,AR,3Dなどといった近年よく聞く技術を応用した研究、IoTやインターネットを介した8K放送の配信技術などの展示や体験ができるコーナーがありました。
まず初めに、入館して目の当たりにするのがダイナミックな未来の構想を描いたコーナーです。
”ダイバーズビジョン”とNHKは称し、想像する未来を描いていました。
ここではイマイチIPメディア系がわからない人でも理解できるような展示だったと思います。
その場に実際にいるかと思うような臨場感が味わえるスクリーンでした。(8Kカメラの映像を3台のプロジェクターで合成出力したもの)
その次は目玉といってもいいくらいの展示「筋肉体操AR」でした…が!こちらは撮影禁止とのことでじっくりと目に焼き付けてきました。
相当な回線とトラヒックがあれば真横で遠隔地にいる人物のARもラグもなく表示できるものなんだなぁと思いました。
会場をどんどん進み、体験コーナーということでARを使ったテレビの視聴を体験しました。 体験したのはモニターに向けてiPadを向けると、モニターに流れている映像と同時にiPad上に3次元ARコンテンツが表示されるというものでした。
個人的に気になったのが8Kの映像コンテンツの部門でした。フルスペック8Kライブの伝送、撮影デバイスといった普段見ることができない機材を見ることができました。
この2枚は8Kライブの伝送に使われる光回線装置とリアルタイムでの編集が可能なPCでした。
10Gbpsでの伝送は一方的に出来ても一般家庭でそれをPCなりで受信するとなると今の技術では追いついていないのではないかと思います。 こちらは高繊細な映像をいかに低遅延で転送するかといったときに使われる機材。
現状では4K伝送で30ms、8K伝送で50msの遅延があり、実現できる無線送信での距離は約100mだけというものです。
今後、スポーツ番組でこの機材がどう使われてくるかで見る視点・細かい部分を詳しく確認することが可能になるかもですね。
あとはおたく的に反応したのが聖地巡礼アプリである「舞台めぐり」と放送アニメーションを活用したリンク機能が気になりました。
技研ではNHKアニメの「ラディアン」を組み合わせたものでした。
舞台で撮影したものを録画で同じシーンが出てきたときにAR撮影した画像と照らし合わせてみたり思い出を振り返るなどできるみたいです。
今後各局のアニメがこの舞台めぐりとの連携ができ、同じような機能が搭載されるようなら聖地巡礼する人も増えたりするのではないでしょうか。(話に夢中になっていて画像は取ってなかったです)
地方番組の自動字幕の研究も興味がわきました。
AIが単語を読み取って文字に起こして表示するまでの速さは手打ち字幕よりも早く、そして正確なものでした。
まだまだ直す部分はあると言っていたものの、正確さが確証されてきたら近年には実装されるのではないかと期待しています。
この技術はまだ別のディスプレイに表示するというものですが、ぜひ実用化となれば放送波と一緒に字幕データとして流してほしいですね。
AIニュースというものもあり、すべてAIがアナウンサーのようなイントネーションで発言してニュース番組を配信するという研究もありました。
地方独特な発言方法や言い方もディープラーニングで鍛えられており、流石やなぁと思うばかりでした。
ちょうど5月1日より新しい元号”令和”ということでタイムリーなネタとして「放送が伝えた皇室」というところで展示がありました。
放送開始当初の実物のカメラやテレビ受信機、ラジオなどの展示がありました。撮影は控えました。
まぁこんな感じでもっと語ると奥が深いですね。
初めて技研公開に行ってきたのですがIP分野テレビ分野に興味がある方は相当興奮したのではないのでしょうか。私もめっちゃくちゃ興奮(語彙力)しながらフロアを回っていました。それではこの辺で。